公益財団法人 世界宗教者平和会議日本委員会

Heartful Message

こころの扉

新春挨拶

立正佼成会会長・WCRP ⽇本委員会会⻑ 庭野⽇鑛

あけましておめでとうございます。

昨年は、WCRPが創設されて五十年という大きな節目の年でした。今日の日本委員会があるのは、多くの先達の方々が、道なき道を切り拓き、礎を築いてくださったお陰さまです。その崇高な願い、進取の精神を受け継ぎ、現代社会に活かしていくことが、私どもに託された使命でありましょう。

半世紀は、「反省期」に通じると言われます。改めるべき点、さらに充実すべき点の双方を見つめて、創設百年に向けた新たな五十年の歩みを進めていきたいと存じます。皆さまのお力添えをお願い致します。

さて、昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、各ご教団の諸先生方も、さまざまな影響を受けられたことと存じます。

日本委員会におきましても、事業の大幅な見直しを余儀なくされ、昨年に開催が予定されていたACRP(アジア宗教者平和会議)大会、WCRP五十周年記念式典は、本年に延期されました。

そうした中にあっても、各タスクフォース、常設委員会では、いち早くオンラインでのシンポジウムや学習会、会合を開き、停滞することなく、活発に活動を展開してこられました。大変心強いことであります。

コロナ禍にあって、私共は、今までの価値観、手段にとらわれず、新たな発想や価値観、行動を創り出していく柔軟さが求められていると思います。

省庁の「省」という字には、省く、省みるという二つの意味があります。大きな組織は、省く、省みるという姿勢を大事にしないと、必ず繁雑になり、それに忙殺されることから、「省」という字がつけられたといわれています。

このことは、日本委員会にも当てはまるのではないでしょうか。例えば、オンラインを駆使すれば、会議等に参加するための交通費が省かれ、その分をさまざまな平和活動に充てることができます。大勢の人が集まらずとも、一定の人数で内容の濃い会合を開き、それをオンラインや活字で共有することもできるでしょう。

優先して取り組むべきことは何か。そこに集中するには何を省けるか。従来の方法のままでよいのか――コロナ禍の中で、改めて振り返ってみることも重要であると思います。

困難な状況であるからこそ、皆さまの叡智を結集して、常に創造的な活動を進めてまいりたいと念願しております。

本年も一層のご理解とご協力をお願い致します。

(WCRP会報2021年1月号より)

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