10月25日、中米地域のホンジュラスが批准し、核兵器禁止条約の発効要件である50カ国に達しました。これにより条約は90日後の1月22日に発効します。
この核兵器禁止条約の発効要件が達成されたことに対し、声明を発表します。
WCRP日本委員会
核兵器禁止条約50か国批准達成を歓迎する声明
2020年10月25日、核兵器禁止条約の50か国への批准が達成し、発効要件が満たされたことに対し、(公財)世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会は、心から歓迎の意を表します。
広島、長崎の被爆者をはじめ、世界の核実験、核兵器開発過程で被害を被ってきた方々は、「ふたたび被爆者をつくらない」という信念のもと、これまで筆舌に尽くしがたいご努力で、同条約の支持を先頭に立って訴え続けてこられました。そして国内外を問わず多くの人々がその信念を真摯に受けとめ、一人ひとりが友人、知人、あるいは街頭を行き交う人々などに丁寧に訴え続けてこられました。この度の発効要件の成立は、核兵器廃絶を願うすべての人々のこうした地道な努力の賜物であり、WCRPは、この歴史的な偉業の達成を共に喜びを分かち合いたいと思います。
言うまでもなく、核兵器は壊滅的な被害をもたらす「使ってはならない兵器」「使えない兵器」です。それは、存在自体が絶対悪であり、一刻の猶予もなく廃絶しなければならないものです。
WCRPは、50年前の1970年の創設以来、世界の宗教者がそれぞれの宗教の違いを超えて、平和を疎外する地球的課題の解決に取り組み、平和のため宗教協力活動を推進してきました。とりわけ日本委員会は、人類史上未曾有の惨禍をもたらした戦争被爆国の宗教者として核兵器廃絶に精力を傾注し、行動を展開してまいりました。
この度の50か国批准の達成は、核兵器禁止条約の発効によって「核兵器なき世界」に向けて大きな前進であり、その実現をめざす人々に多大な勇気を与えるものです。
この意義ある契機に、さらなる核兵器廃絶に向けて、昨今WCRPが訴えてきた日本政府に対する要望を以下の通り、繰り返し表明します。
・核兵器廃絶に向けて、より一層の行動を強化すること。
・核兵器廃絶の最大の障壁と考えられる核抑止政策の信ぴょう性に対する検証を行うこと。
・核兵器禁止条約の締約国会合にオブザーバー参加し、同条約の発効から目をそむけず、国際法として尊重し、誠実に向き合うこと。
WCRPは、諸宗教者が集う連合体として、引き続き、さまざまな国際ネットワークとともに、祈りと平和の行動を通して、「核兵器なき世界」の実現に力を尽くす決意を新たにします。
2020年10月25日
公益財団法人 世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会
理事長 植松誠
<日本語>WCRP日本委員会核兵器禁止条約50か国批准達成を歓迎する声明(PDF)
<English>RfP Japan Welcomes the 50 Countries Ratification of the Nuclear Ban Treaty(PDF)