公益財団法人 世界宗教者平和会議日本委員会

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2022.5.16
学習・セミナー

2022年度「 平和と和解のためのファシリテーター養成セミナー 」第1回フォローアップセミナー を開催

5月7日~8日、和解の教育タスクフォース主催「平和と和解のためのファシリテーター養成セミナー」の2022年度第1回フォローアップセミナーが栃木県・アジア学院にて行われました。本セミナーは「平和と和解のためのファシリテーター養成セミナー」の第1期(2017-2018)、第2期(2020-2021)セミナー参加者のフォローアップ研修及び交流の場を目的としています。『ともに生きる』をテーマにアジア学院の豊かな自然の中で食といのちの大切さを体験しながら、いのちの尊厳、多文化共生等を学ぶ本セミナーにスタッフを含め26名が参加しました。

1日目には荒川朋子講師、山下崇講師より『キャンパスツアー&フードライフ』と題して、アジア学院創立の理念について学びました。アジア学院は途上国の農村開発に携わる人材を養成する国際機関として発足。その目的として、東南アジア諸国で既に農村開発に携わっていたキリスト教会とキリスト教団体の要請に応えるとともに、宗教的背景の異なる農村指導者を学生として招いてきた経緯を説明。その後、参加者は「キャンパスツアー」として広大な土地の中にある野菜畑、鶏舎、豚舎を回り、有機肥料作りから、野菜や家畜を育て、収穫から調理、リサイクルまで行う、自然とともに共生するアジア学院の循環システムについて学びました。次のセッションではアジア学院の豚肉や野菜を使い、多文化体験として「インドカレー作りワークショップ」を行いました。アジア学院のスタッフで宣教師のベロ・ルイパ講師が食前の祈りを捧げ、参加者はフードライフで学んだ、いのちを頂くことの大切さをかみしめる時間となりました。

 

開講式                 カレー作り

2日目は「朝のフードライフワーク」をテーマに農作業としてルバーブ畑の草刈り体験を行いました。雑草も家畜の飼料としてリサイクルするので、土がつかないように鎌で刈るレクチャーを受け、アジア学院の循環システムを体験する機会になりました。最後のセッションでは、ジェフリー・メンセンディーク講師が「いのち・尊厳に関するワークショップ」と題して講義を行いました。ジェフリー講師は、まず、尊厳と尊敬の違いについて説明。尊敬は「対外的な評価や称賛を受けることで人から与えられる」ものに対し、尊厳は「人は生まれながらにして尊厳を持っており、誰にも奪うことはできないもの」だと強調。そのうえで、尊厳の定義は「生きるものすべての価値と弱さを認めて受け入れることからくる内面の平安である」と述べました。その後、グループ別ワークで互いに感想を共有する時間がありセッションは終了しました。

  

草刈り体験       メンセンディーク講師     グループワーク

また、両日の振り返りのファシリテーションを参加者2-3人で担当し、参加者同士の交流やファシリテーターとしてのスキルアップを図りました。

セミナーの参加者からは「人は、自然の繋がりと循環の中に生かされていることを知って学びになった」「自然と自分の命がつながっていることが体感できた」「食といのちに向き合うことの大切さを学んだ」「尊厳という概念は、昨年のセミナーで学んだ修復的正義とも関連すると思い、今後の研究を通じて理解を深めていきたい」と声が寄せられ、今回のセミナーは終了しました。