公益財団法人 世界宗教者平和会議日本委員会

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2022.5.10
国際関係 ボランティア・支援活動

ウクライナ周辺国現地調査レポート [2]

現在のウクライナ情勢を受けて、WCRP日本委員会はウクライナ支援募金を3月から開始しました。現在、WCPR日本委員会は、WCRP加盟団体と連携し、ウクライナ周辺国での支援にむけた現地調査を行っています。実施中の現地調査を随時レポートしてまいります。

5月7日(土)ポーランド共和国

現地調査隊は、聖エジディオ共同体がワルシャワ市内で運営する難民受け入れセンター、難民を受け入れる家庭、フォコラーレ運動が難民支援を行うマリアポリセンターを訪問した。

(1)聖エジディオ共同体による難民支援視察報告
調査隊は、聖エジディオ共同体が支援を行う難民受入センターを訪問した。同センターは行政によって運営されており、250人の難民が滞在している。その内、150人が子ども。聖エジディオ共同体は、週3回から4回、支援プログラムを提供しており、子どもたちに学習支援と遊びを通じた精神的ケアなどを行っている。

センター訪問後、難民を家庭で受け入れているホストファミリーを訪問した。このホストファミリーは、カトリック教会で神父が家庭での難民受け入れを呼びかけるのを受けて、家庭で受け入れることを決めたという。ウクライナからの一家族3人(病気療養中の夫、妻、8歳の子ども)を受け入れていた。「難民を家庭で受け入れることは、実際は大変」との声も聴かれたが、そのホストファミリーの実家や兄弟もそれぞれの家庭で難民受け入れをしているとのことであった。

(2)フォコラーレ運動・ワルシャワ郊外マリアポリ・フィオーレ難民支援視察報告
ワルシャワ郊外に位置するマリアポリ・フィオーレを訪問して調査を行った。この場所には、これまで最大30人が滞在し、現在は17人(内子ども8人)が滞在している。このセンターには長期にわたる滞在者が多いという。同センターでは、衣食住の提供のみではなく、精神的ケア、家族的な関わりをすることを大切にしているとのことであった。特に子どもは、心の傷が見えにくい面があるため、アートセラピーなども活用してケアにあたっている。

同センターは、問題の長期化を受けて、ポーランド社会への適応などを図るため、子ども、または望む大人に対してのポーランド語を学ぶ機会を提供する「学校」を開設している。この学校には、センターに滞在する難民に加え、近隣に滞在する難民ら30名以上が参加している。オンラインでのウクライナ語の授業の提供や、その他の科目の授業もこの学校で提供し、必要に応じてウクライナでの教師経験のある人が補修授業を行っている。

ウクライナ難民の方々には、障害を持つ人や親を失くした孤児もおり、そのような方々は将来の見通しを立てにくい困難さがあるということであった。